2020S 試行2
2020-04-15
ゲスト:井上聡さん(いのうえさとしさん)(弁護士:長島・大野・常松法律事務所)
昭和58年文Ⅰ・Ⅱ 8組のクラスメイトです。
Q&A
音声ファイルをSlackとITC-LMSに掲げました。
10:00にツイキャスの定期メンテが始まってしまって「解散」したあと、定期メンテが早く終わり、少しだけ井上さんと繋がりましたが、その音声は省略しています。その時の中締め挨拶として、「法律の勉強はやればやるほど面白くなっていくと思うので、ぜひ頑張ってください。」というメッセージをいただいています。
筋書き
8:20頃
ゲストとのトーク(収録済み)のURLを知らせる。30分・50MB・MP4ファイル。
ITC-LMS済み
Slack済み
ファイルは、厳密には、「画像として静止画1枚のみが入った動画ファイル」。
何かトラブル等があったら、どなたか、Slackで知らせてください。
9:15頃までを目安に ゲストとのトーク(30分)を各自が聴く。
Slackで質問等を「白石忠志」へのダイレクトメッセージで送信
早めに送ってもよい。白石側の都合としては五月雨で届くと助かる。
9:30少し前まで 白石が質問等を整理
9:30から30分程度 ゲストと白石のライブトークで質問等に可能な範囲で回答
ツイキャスを利用予定
(ツイキャスURL)
ブラウザで聴けるはずです。ツイキャスのアカウントを作成する必要はありません。
もし、9:32に再読み込み(Reload)しても何も聞こえない場合は、どなたか、Slackでお知らせください。
ツイキャスのURLを白石が書くのを忘れており、10分が無駄になりました。すみませんでした。
そうしたら10:00からツイキャスが定期メンテに入り、終わってしまいました。すみませんでした。
11:18頃から、続きをやることになりました。録音を残しますから、ライブで聴く必要はありませんが、ツイキャスで誰でも聴けるので、一応、お知らせしておきます。
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Q&A
ここに書くとよいもの、書いてよいもの、を掲げています。同種の質問をいただいた場合、たまたま最初に見たもので代表させて、その他を掲げないこともあると思います。
音声によって答えていないもののみ、白石shiraishi.iconが簡単に答えています。
将来の進路
裁判官や検察官など司法に関係する職に就きたいわけでもないが、司法試験に向けて勉強するというのは、「アリ」なのでしょうか?
政治方面に興味を持っていて、報道関係の道を模索しているのですが、そのような場合でも、社会の仕組みをよりよく理解するため司法試験合格を目指すという選択肢はあるのでしょうか?
司法試験のための講座や塾をよく見るのですが、大学の講義や自習だけでは厳しいのでしょうか?
弁護士として大成するために、学生のうちから意識した方がいい能力を教えてください。
司法試験について言及していらっしゃいましたが、大学での法の学びと司法試験の学習はどの程度重なり合うものなのでしょうか?ダブルスクールの話なども聞くのですが、大学で法学を学ぶ過程の中で身につく「法的思考」とはまた別の、プラスアルファで必要となるものが多くあるのでしょうか。これからの学習の進め方を考える上で少し気になっています。
shiraishi.icon井上さんの話で、大学の授業と予備校の授業のそれぞれの特色に言及がありましたね。
私は外交官を目指しているのですが、法律の勉強とはどのように関わっていけばよいか迷っています。何かアドバイスをいただけると嬉しいです。
弁護士と研究者と官僚とが相互関係をもち、法改正につながることがあるというお話がありました。弁護士は、既成の法律を運用することがお仕事であって、法律を今の社会に合わせて変えていくことは難しいというイメージですが、弁護士のかたはそういった中で思想的に何を一番に大切にされているのでしょうか。また、法律は社会に合わせて変わっていくべきだと思いますか?憲法に関してはいかがでしょうか。
前回の試行で同級生の質問と先生のご回答を聞いていて、そのレベルの高さに驚愕し、皆法曹志望なのではと恐れ慄きました。本日のお話を聞く限り法曹志望向けの授業になるわけではないとのことですが、どのような姿勢(心がけ)で授業に臨むべきでしょうか。
井上さんに伺いたいです、法学部に進んでから就ける国際関係の仕事には、国際弁護士以外に何かありますか?
民間就職を志望している中で司法試験あるいは予備試験に目をやるとなると、ダブルスクールなどに通う必要がある、つまり独学では厳しいものとなるでしょうか
僕は今のところ法律の専門家の道に進むかはわからないので、司法試験を受けるべきか悩んでいるのですが、いつまでに決断しないと受けたくなった時に手遅れになるとかってありますか?
予備試験を受験しようと思っている場合どのようなスケジュールを辿るの一般的か、また理想的なのか気になっています。
人によるとは思うのですが、予備試験・法科大学院に向けた勉強を1年生から始めることと、2年生以降から始めることのメリット・デメリットとしては、どのようなことが挙げられるでしょうか?私個人としては、やるのであれば早い方がいい気がしつつも、まだ将来やりたい職業の決断がつかないので、どうしようかなと迷っております。
shiraishi.iconこれらの質問にも、非常に抽象的には、お答えしましたね。やりたい、と思った時が最大の好機であり、それで遅すぎるとか早すぎるとかいうことはない。ただ、早すぎる場合の弊害は、他の勉強をしなくなる(という人が少なくない)、ということです。社会に対する洞察は、どのような仕事にも必要なので、それは、何かの勉強に没入する場合でも、忘れないようにすることが肝腎です。
留学
LLMの入学要件みたいなものがあれば詳しく教えていただきたいです。学校によって違うこともあるかと思いますが共通する部分を是非お願いします。
shiraishi.icon重要なことなので口頭返答を繰り返しますが、外国著名大学による留学希望者の選抜において日本の大学(法学部)の成績は極めて重要です。ポジショントークではありません。本当です。
海外で仕事をする際に現地の資格(bar examバーイグザム合格)を持っていない場合はどれほど仕事に関われるのか(あるいはどれほど関われないのか)
井上さんが、ハーバードに行こうと思ったきっかけや、大学の学校に進学する際に苦労したことについて知りたいです。
井上さんはハーバードで法学を一年勉強されていたと伺いましたが、具体的にどのようなことを勉強なさっていたのでしょうか?アメリカの他の学生がする三年間の法学の勉強と何が異なるのでしょうか?
アメリカのロースクールに通うとなると、どれくらいの英語力が必要になるのですか?
井上先生がハーバード大学などへ留学なさった時に必要だった英語の諸能力(特にスピーキング)は大学で習得なさったのですか、それとも独学で修得なさいましたか。
将来は法曹関係の仕事に従事したいと思っているのですが、海外留学は仕事をする上で、ほとんど必須なのでしょうか。もし必須ではないとしたら、海外留学がどのようなメリットを仕事(法曹関係の仕事)にもたらすのかを、教えていただけたら幸いです。
日本の大学を卒業せずにハーバード大学など海外の大学を卒業した場合、日本では大卒の資格を得られていないことになりますが、その場合日本国内での法曹、官僚などの就職に影響はあるのでしょうか。
法を学ぶ
自国と法体系の異なる他国に留学することは自国内での法律の作成、或いは運用に具体的にどのような好影響を及ぼすのでしょうか。
「法的素養」「法的能力」とは具体的にはどういったものでしょうか。お話を聞く限り法律を噛み砕く能力だけではなく、むしろそれが前提となっているようですが、それ以上にどんな能力が必要となるのか気になります。
弁護士をやるにあたって知識面以外で大切な心構えなどがあったら井上さんにお伺いしたいです。
shiraishi.iconこの質問も、結局、このあたりで井上さんが答えたことが答えになるかなと思います。
弁護士・法律家の仕事
下記の質問をshiraishi.iconが意訳)法律家は既存の法律を前提にして議論するものだと思うので、法律を変える議論に参加すると、自分の存在意義を否定することにならないか。
法が絶対的なものではなく、様々な立場の専門家や運用する人々によって常に改良を加えられているということは理解できました。一方で実情に合わない法を変えていくということには疑問が残ります。法律家が後ろ楯(?)とする「法」に自身で手を加えると後ろ楯がなくなってしまうような感じがしました。実際変えていかなければということはわかるのですが、いたずらに変えていくと法律家も法も存在意義が薄れる気がします。法律を運用する立場の人が解釈変更や改良するとき、何に立脚して意見を述べるのでしょうか? それが法学的考え方ということでしょうか?
企業内部の法務部と外部の顧問弁護士にはどのような違いがあるのでしょうか。業務内容等について、よろしくお願いします。
特定の企業で働く企業内弁護士はどのくらいの割合がいらっしゃるでしょうか。
弁護士には企業で活躍する人や裁判で法廷に立つ人といった種類があるということでしたが、弁護士の中で法廷に立つ人はどのくらいの割合なのでしょうか。同様に企業で活躍する人の割合も知りたいです。
これは、どんどん増えている状態なので、うまく答えにくいと思います。
井上さんは海外の法律事務所で働いた経験があるとのことですが、日本の法律事務所で働くのと何か違いはありましたか?
多数なのでshiraishi.iconがまとめ)オランダの法律事務所で働かれたのはなぜですか。どのような仕事をされましたか?オランダの法律はどのようにして学ばれたのでしょうか。
大手事務所では、一つの案件に対して何人くらいの弁護士が、どのような体制で関わっているのですか?また、新人弁護士はどのような仕事を担当するのですか?
井上先生が司法の道に進む、あるいは司法試験を受けることを決めたのがいつなのかを知りたいです。今現在私も司法試験を受けるかどうか迷っていることもあり、大手弁護士事務所でご活躍なさっている先生の場合はどうだったのかということに興味があります。
井上さんはなぜ検事や裁判官ではなく弁護士の道を選択されたのか詳しく理由が知りたいです。
弁護士という職業は現在没落が進んでいるという話を聞いたのですが、弁護士という職業の将来性についてはどのようにお考えですか
shiraishi.iconどのような仕事にも、減っていく分野と伸びていく分野があるので、お聞きになったのは一側面なのだと思います。将来性ある話は、今日もたくさん井上さんからお聞きできたと思います。
井上さんはなぜ当初国際企業法務を仕事にしていらっしゃったのでしょうか。自らの意思でしょうか、それとも事務所の指示ですか?
shiraishi.icon多分、いろいろの話の中に含まれていますね。
金融と法律との強い結びつきに、自分は非常に驚いたのですが、世間一般の弁護士のイメージとは離れているが、実は弁護士が大きな役割を果たしている分野としては、他にどのようなものがあるのでしょうか?
法学部から銀行や金融庁など、金融関係の職業に就く場合に、学生のうちに学んでおくべきことにはどのようなものがあるのでしょうか?そういった方面への就職にも興味をもっているので、お教え頂けると幸いです。(経済学は必要?)
日本銀行への出向は、日本銀行からの要請で決まるのでしょうか。また、先生が日銀で携わった、お仕事について:も教えてほしいです。弁護士の方が日銀に出向するというのはよくあることなのですか?
どのように専門を固めていったか
大学生の内から自分の興味がある分野、活躍したい分野について考えたり、研究したりするべきでしょうか。それともあらゆる分野を学んで、実際に働き始めてから確立していくのがよいのでしょうか。
現在弁護士としてご活躍なさっている方は、井上先生のように法律と金融など、2つ以上強い分野があるように思うのですが、その分野は大学在学中に自分で決めて法律の他に深く勉強するものなのでしょうか。それとも法律家として経験を積むうちに自分の強みとして見つけ、伸ばしていくものなのでしょうか。
弁護士としての専門分野は、弁護士として働き始めてから徐々に固めていけば良いのでしょうか?それとも、法学部で学ぶうちからある程度意識して詳しくなる必要があるのでしょうか?
井上さんの専門は金融法などですが専門分野に関する知識(金融や経済のことなど)はどの段階で勉強なさったのですか?弁護士になる場合は専門としたい分野,省庁等で働く場合は働きたい省庁の取り扱う分野に関する専門的な知識はいつ勉強しておくべきでしょうか。法学部での学習は法律を全般的に学ぶというイメージがあるので教えていただきたいです。
shiraishi.icon学生の時に専門を固めなければならないということはなく、広く学んでおくだけでもいい。もちろん、何か関心のあるものが見つかれば、掘り下げておくのもいい。大事なのは、何かを筋道立てて学んだという経験値のようなもの。それがあれば、全く新しい分野に将来出会って、それが自分の専門になることもある。
「裁判所に行かない」タイプの弁護士の方について触れていましたが、その方々は普段どのような仕事をなさっているのでしょうか?
shiraishi.icon井上さんの話の総体が答え、ということになると思います。
官僚が法律を作るというご発言がありました。官僚が法律の作成に際して、どのように関わっていくのか知りたいです。
shiraishi.iconこの授業でも触れます。また、井上さんのわかる範囲で、当初収録音声などでも触れておられました。日本の法律は内閣提出の法案が成立したものが多いので、言葉の綾を含めて、官僚が法律を作る、という言い方を、当然のようにします。そのうちまたやります。
法律に何らかの不備があった場合、どの機関がその改訂に向けて動いて、その改訂にはどのくらい時間がかかるのでしょうか。
shiraishi.iconそのうち少しやりますが、案件によりいろいろです。井上さんからも一例はお示しいただいたと思います。
弁護士や研究者、官僚が日本の制度について話す機会というのはどのように得られるのでしょうか。大学でのつながりが重要になってくるのでしょうか。
井上さんは法整備のために学者と議論する時どこでその学者と知り合ったのですか?
井上先生は弁護士や研究者のかたが法制度の審議会に参加することがあるとおっしゃっていましたが、審議会に参加する弁護士及び研究者の方はどのように選ばれるのでしょうか?
shiraishi.icon私は選ぶ側ではないので、いろいろでは?と申しておきます。
新たな法律を施行する時には実際に運用してみないと分からない欠落や過剰な規制があると思うので、井上先生の仰ったように白石先生のような研究者に伝えて最終的に立法機関にフィードバックすることは重要だと思ったのですが、見つけた法律の欠陥を研究者などに伝える機会には具体的にはどういうものがあるのでしょうか、それは井上先生と白石先生とのつながりのような個人的なものなのか、それとも公的な機会が設けられているのでしょうか。
shiraishi.icon井上さんからもお話があったと思いますが、様々ですね。
自分の法律の専門分野というのはいつ頃にどのような形で決まっていくのでしょうか。官僚志望なので、できれば官僚の方の場合を教えていただきたいです。対談の中で司法試験のお話が出てきましたが、官僚の方も多くが司法試験に合格されるのですか。
shiraishi.icon官僚の専門がどう固まっていくかは、上記で弁護士を例にして話が出たのと、大差ないと思います。いろいろだ、ということです。官僚も司法試験に合格しているか。少なくない、という答えですね。ここでも、「司法」試験という名前にこだわらず、法律的な仕事をするための勉強をした証(あかし)として、使っている人が多い、ということだと思います。
shiraishi.icon音声の中で私がパスポートという喩えを使いましたが、パスポートだと、それがないとできない、という意味合いになってしまうので、よくないですね。一定の勉強をしたことの一つの証、一つの証明方法。学生の頃に法律の勉強をしていなくても法律の仕事はできるが、勉強していればそれを広い範囲で活かせるし、また、合格している事実それ自体が勉強した証の一つとして機能する、ということです。
近年、仮想通貨やAIによる投資取引など新しい金融取引が話題になってきて先例もあまりないと思うのですが、このような事柄に関する法的訴訟が起こった時、弁護士の方は現行法の解釈によって対応されるのか、新しい法体系を模索されるなどの別の方法での対応もあるのか教えてほしいです。
shiraishi.iconこれはある程度、井上さんの答えにも含まれていたと思うので、そこから汲み取って、あとは、ご関心のある具体例に沿ってご自分でいろいろなものをみていってください。
M&Aなどでは同じような案件がいくつもやっきて、判例の参照で済んでしまうようなことは多いのでしょうか?それとも毎回案件によって違う法律を適用しなければいけなかったり柔軟性が求められるのでしょうか?
shiraishi.icon競争法・独禁法でも、企業結合は一つの大きなトピックなので、私にもわかりますが、本当に案件により様々です。既存のものを使って右から左に一丁上がりになる案件もありますが、案件ごとに、他とは異なる法的問題が生じ、解決を迫られることはいくらでもあります。
個人的な進路選択経験
進学のときに法学部以外の選択肢を考えたことはありますか?
shiraishi.icon井上さんも私も、たまたま、あまり考えなかったと思いますが、いろいろでいいと思いますよ。
お二人は若い時に想定していたキャリアを歩んでいるのでしょうか?それとも予想に反して結果的に今のようなお仕事をなさっているのでしょうか?若い時に想定していた将来の自分についてお伺いしたいです。
shiraishi.icon井上さんについては、様々なお話に含まれていたと思います。白石については、またいずれ。
数ある職業の中から、なぜ弁護士を選んだのですか?また、法学を学ぶことの意義は、どこにあると考えていますか?
shiraishi.icon上記の別の質問への答えでカバーされたと思います。
教授や井上さんが学生でいらっしゃった頃、司法試験に受かって行った方はいましたか?
shiraishi.icon私たちが学生の頃は、成績のいい人は霞が関の官僚になる、という時代で(大雑把な表現)、公務員試験は4年生でないと受けられませんでした。司法試験も、4年生までで合格した人は少なからずいたと思いますが、東京大学法学部においては公務員試験の比重・注目度が高かった時代なので。。
shiraishi.icon昔話として言うと、当時、早めに合格できたのは、外交官試験です。3年生の年齢で受験できたので、私の同級生では私の知る範囲で1名、それで合格して法学部を中退して外務省に入りました(外務省から米国の大学に留学するなどして学位を得る)。ちなみに、雅子皇后は、私たちより(日本でいう)学年は1年上で、ハーバードの学部を卒業し、学士入学で東京大学法学部の私たちより1年下の3年生に入学し、3年生で外交官試験に合格され法学部を中退されました。したがって、私たちと同じ学年で(3年生合格でなく)4年生で合格して外務省に入った人たちと、同期ということになります。今は、外交官試験も他の一般の公務員試験と統合されたと理解しています。
井上さんは法科大学院を経て司法試験を受験されたのでしょうか。受験勉強はどんなものでしたか。研究者、官僚などの選択肢の中から法曹、中でも弁護士を選ばれたのは何故ですか。LLMというものを利用されたのは何故ですか。
shiraishi.icon大体、口頭または上記で、答えられていると思います。日本で法科大学院制度が創設されたのは2004年です。
金融機関から官庁に移った方のお話がありました。自分は官僚志望なのですが生涯官僚を続けるとなると「?」が生じてしまいます。お二人が知る中で官庁から企業や金融機関、法律事務所などに転職された方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。
shiraishi.iconたくさん、様々なパターンの方がいます。当初の音声で出てきた方のように、民間企業を辞めて片道切符(出向とかでないという意味)で官庁に移る人も多くいますし、私の専門に関係の深い公正取引委員会は「任期付採用の弁護士」(2年とか3年とか)を多く採用している役所の一つです。任期付きで務めるうち、そこにずっといることになった人も複数います(本人も役所もそれを望むことが前提)。とにかく、たくさん・いろいろいます。
弁護士として働いた後に官庁に移るというのは、官庁側からスカウトされてのものなのでしょうか?
shiraishi.icon基本は公募だと思いますが、いろいろなパターンがいると思いますし、公募という形を取ったが実際は余人をもって代えがたい人に役所の側からアプローチすることもあり得ると思います。とにかく、様々です。
弁護士だからといって、法律を解釈するだけではない、裁判に関わる仕事だけではない、とお話がありましたが、公務員である裁判官や検察官の場合はどうでしょうか。
shiraishi.iconどんどん世の中が変わっているので、様々ですが、裁判官・検察官という仕事そのものは、世の中のイメージに近いと思います。ただ、キャリアの中で数年間x数回、法務省とか、あるいは財務省その他の役所その他に出向するなどして、法律や条約を作る仕事をされた方その他諸々、そういう方々は少なからずいらっしゃると思います。
お二人で学者と弁護士という二つの仕事について、どう違うか、どちらがどんな人に向いてるかなどお話ししていただければ嬉しいです。
井上さんから、メールで、次のようにご回答いただきました。「弁護士という職業には、緻密な分析力・大胆な判断力・タフな交渉力など、人によってさまざまなウリがあり、それに応じて依頼者が付いてくるものなので、向いているタイプは多種多様で、心配無用です。」
shiraishi.icon私も、井上さんの回答に乗っかり、多種多様ですよ、とお答えします。自分の責任でテーマに取り組めるのが好きな人、であることが必要ですが、弁護士も同じだと思います。
法学の教授と弁護士。お二人方の仕事のやりがいを、僕自身の法学へのモチベーションのためにお聞きしたいです。
shiraishi.icon本当に人により様々、同じ人でも文脈によって様々、と思いますが、例えば、井上さんからは、自分を頼ってくださったクライアント(顧客企業)のために知識やスキルを動員して何かを解決した時に感謝されるとやはり嬉しい、というお話がありましたね。私も同じような感想を持つ機会はあります。私のことは、また、いずれ。
10年ほど前のリーマンショックの時はどのような感じだったのか、また現在コロナウイルス関連ではどのような仕事が増えているのか、ということをお聞きしたいです。
shiraishi.iconリーマンショックの時も、井上さんが話した1998年の時と同じ、またはもっと大きいことが起きたでしょう。新型コロナウイルスでも、おなじで、今回は、さらに問題が多様で、深刻だと思います。井上さんにしても白石にしても、個人に見えている範囲は狭く、ここでお答えしても、単なる断片になると思います。
先生が独禁法専門で、ゲストの方が民法、会社法の専門と仰ってましたが、内容の重なりがあるように見えるのですが、それほどは無いのでしょうか?
shiraishi.icon「民法・会社法」は広いので、いろいろなものと重なっています。井上さんの専門の金融の話が「民法・会社法」と重なる部分と、独禁法が「民法・会社法」と重なる部分とが、あまり重なっていない、ということですね。
研究者や弁護士の方々には専門分野があるというお話でしたが、裁判官にも専門分野というものはあるのでしょうか。
shiraishi.icon人により様々だと思いますが、私の観測範囲だけからみても、裁判所にとってこの分野に詳しい裁判官に育ってもらいたいと思う分野というものは常に存在し、または、新たに出てくるものなので、そういった特定分野の事件を集める部(例:東京地裁民事○部とか)に人材を配属させ、その後、その分野を扱う部に配属させる機会を多くして、専門知識ある裁判官として育てていく、ということは、あると思います。知的財産法に強い裁判官がその典型例だと思いますが、他もあると思います。独禁法も、知的財産法ほどではないけれども、それに少し近いものはあります。
一般的な質問
日本の法律はITなどの技術的な革新に追いつけていないとよく聞きますが、実際のところを教えてもらいたいです。またその問題は他の先進国などでは解決されているものなのでしょうか。
shiraishi.iconごく一断面を授業で紹介するので、あとは今後、ご自分が関心を持った分野を深めてみてください。
人工知能により生み出されたもの(自動運転など)の法整備をするとしたらどの分野を集中して勉強するべきか
shiraishi.iconごく一断面を授業で紹介するようにします。
井上さんが実務家としてお気づきになる実定法の問題点には、具体的にどのようなものがありますか?
shiraishi.iconたくさんあるはずで、その一断面をご紹介くださったと思います。
海外で弁護士として活躍するためには、海外の具体的な法律を習得する必要があるのでしょうか?それとも国際法も学ばなければならないのか?
shiraishi.icon授業でも一断面はやります。この段階で、言っておくとすれば、法の国際的な問題のかなりの部分は、「国内法を国際的な事象に適用する」というフェイズです。必ずしも「国際法」ではない。井上さんの国際的な仕事は、ほとんど、前者だと思います(しかしそれだけではなく条約(国際法の一部)なども絡む)。それらは全部「国際法」だと思っている人が世の中には多いと思うので、まず、上記のイメージを持ってもらった上で、そのうち、国際法にも触れるようにしたいと思います。でも、2単位の授業で限界があることはご了解ください。
これからまた具体的に学ぶのかもしれませんが、会社法というのは大まかに言うと企業での事務作業等に用いる法律、という解釈でよろしいでしょうか?
shiraishi.icon会社という組織を設立し運営するための標準モデルを提供している法律です。新型コロナウイルスの影響で株主総会をどう開くか、が、目下の各会社の皆さんの会社法上の大きな問題関心の一つだと理解しています。
法の専門家でない人たちの感覚にもなるべく近いものにする必要があると思うのですが、そのような人たちの意見を取り入れる機会はあるのでしょうか。
shiraishi.icon昔に比べれば、飛躍的に増えていると思います。いろいろ多くあるために、かえって例示が難しいほどです。何かに関心を持って少し調べれば、出てくると思います。
白石への質問 → そのうちお答えするようにします。
学者は、お話にあった解釈論や運用とは別のことも主題として取り扱われているように思うのですが、どのようなものがあるのでしょうか。
これは、この授業でも追々、少しは触れます。
白石先生が法学教授としてどのようなお仕事をされているのかもぜひお聞きしたいです。
法学の研究者の仕事についてもう少し聞きたいです。どのくらい立法や司法に関わっているのでしょうか?あくまで理論上の情報提供という形なのでしょうか?それとももう少し踏み込んだ形で関わっているのでしょうか?
白石先生に、研究者という仕事の魅力や大変なところを伺いたいです。法律の研究者としてでも、競争法の研究者としてでも構いません。
教授でいう競争法のような自分の専門分野はいつ頃、どのように決めるものなのでしょうか?
その他
どうしてLLM?が有名になったんですか?
shiraishi.iconワイドショーなどでも話題になっていたので、検索してお調べください。
国家公務員試験と司法試験を両方受ける、という人はどれくらいいるのでしょうか?
shiraishi.iconこれは、今の学生がどうしているか、ですから、私どもにはわかりにくいです。公務員試験と予備試験は誰でも受けられるので、両方受ける人は少なくないでしょうね。
初歩的なことで恐縮ですが、金融取引・金融商品と法との関係がうまく掴めませんでした。これについて具体的に伺いたいです。
shiraishi.icon金融については様々な規制があったり、税制の影響があったりするので、そういった法律知識を総動員して金融取引をしたり金融商品を開発したりする、ということです。
井上先生は今回のように同期の卒業生と今でも人脈を保たれているようですが、人脈が仕事上大いに役に立ったことはありますか?
shiraishi.iconいくらでもあると思います。
法学部を出たあと民間に就職するような場合でも、その後官界を目指したり、あるいは法律の知識を存分に活用したりするなど、視野(選択肢)を広げるためにも、武器として司法試験はひとつ重要になってくるのでしょうか。
shiraishi.iconこのQ&Aの上のほうで大体答えましたのでご覧ください。
司法試験には「予備試験」がある、と話されていましたが、所謂「司法試験」との違いは何でしょうか?
shiraishi.icon現在、司法試験は、法科大学院を修了していなければ受験できないのが原則ですか、予備試験に合格していれば、司法試験を受験できます。予備試験は、誰でも受験できます。
弁護士と検察官、裁判官の仲が知りたいです。
shiraishi.icon皆さん立派な社会人ですから適切に交流されていると思います。
司法試験を目指し自主的に勉強を始めたいと考えていますが、法学はこれまで全く触れたことがないので何から始めて良いかがわかりません。
shiraishi.iconこの授業をきっかけにして何かをつかんでいただければと思います。
官僚志望なのですが 大学院に進むかどうか悩んでいます 大学院でできることがよくわかっていないので、教えていただけると嬉しいです
shiraishi.icon大学院にも様々なものがあるので、一概には言えません。もっと具体的に知って、さらに疑問が増えたら、お尋ねください。
新聞等を読んでいると反対意見が多いのですが、東京高等検察庁検事長の定年延長についてもご意見伺いたいです。
shiraishi.icon試行1のQ&Aに書いたとおりです。 「法律を運用する」という言葉が何度か登場しました。法律というと「○○をしてはいけない」や「□□ならば○○することができる」のように禁止や制限をするものがまずイメージされるのですが、「法律を運用する」という表現からは法律の制限の中で行動するのではなく、特定の法律を利用してより有益な行動を起こす、という意味合いを感じました。実際に法律を運用するとは、どのような意識で、どのように法律に対して活動しているのでしょうか。
shiraishi.icon様々の人々が、様々の文脈で、使っている言葉なので、一つの答えはないと思います。私としては、法律で答えが1つしか出ないのでなく使い方に幅がある場合に、そのあたりもうまく使いながら舵さばきをする、というイメージで「運用」という言葉を使っており、そういうイメージの人は多いと思います。具体的には、ご自身の関心に従って、具体的に学んでください。ここでこれ以上言っても仕方がないほど、幅が広い問題です。
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今日の授業が終了した頃に、次回の予習文献がITC-LMSとSlackにおいて入手可能となります。